「すべての」を英語でいうと?と聞かれれば,allやeveryが思い浮かぶのではないでしょうか。all,every(さらにeachも)に続く名詞は単数形でしょうか,複数形でしょうか,即答できますか?本エントリーではそれらについて解説します。
※基本的に,本エントリーではallやeveryなどの形容詞用法に焦点を絞ります。allには代名詞用法もあるなど,allやeveryの用法や意味は,本エントリーの内容にとどまりません。以下では補足的にその他の点にも触れます。
1. all
all+名詞の複数形で「すべての~」の意味を表します。
例:All my friends live in Tokyo.(×All my friend lives in Tokyo.)
※上は形容詞としてのallです。allには代名詞としての用法もあり,all of+冠詞(相当語)で,上と同じ意味を表現できます。
例:All of my friends live in Tokyo.
※all+名詞の単数形で「全体の~,~じゅう」の意味を表します。
例:all day(終日)/all night(終夜)
※管理人は大学受験の頃,
He closed all the windows.
という例文を暗記させられた記憶があります。この例文でtheがなぜ必要か?について,授業担当の先生が熱心に説明していました。熱心に説明する先生の姿だけが記憶に残っていますが,この例文でtheが必要なのはなぜでしょうか?
優れた文法書として定評のある『ロイヤル英文法』(旺文社,改訂新版,2000年)に,「all the boysとall boysの違いは?」として「all the boysは「特定の少年たちの全員」であり,all boysは「そもそも少年というものはすべて」の意になる」(同書p. 225)という解説があります。この説明と同様の考え方で,上の例文にはtheが必要になります(世の中のあらゆる窓を閉めたのではなく,特定の範囲の窓をすべて閉めた)。
2. each
allとeveryのほかに,eachの形容詞用法にも触れておきます。形容詞用法のeachは名詞の単数形に付いて「それぞれ」,「めいめい」,「おのおの」の意味を表します。
例:Each student has an ID card.(×Each students have an ID card.)
3. every
everyは名詞の単数形に付き,「すべての~」,「~はどれ[だれ]もみな」」の意味を表します。
例:Every dog has its day. ((ことわざ)どの犬にも全盛期はある→幸運が巡ってくるときは誰にでもある)
まとめ
all, each, everyの形容詞用法では,次の点(=名詞の単数形に付くのか?複数形に付くのか?)をまずは押さえたいところです。
・all+名詞の複数形で「すべての~」の意味を表す(名詞の単数形に付く場合は「1. all」のとおり)
・一方,each+名詞の単数形で「それぞれ」,「めいめい」,「おのおの」を,every+名詞の単数形で「すべての~」,「~はどれ[だれ]もみな」」の意味を表す