最上級の直後のever

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比較級や最上級については,ポイントが多数あります。以下,比較級と最上級の網羅的,体系的な解説ではありませんが,「そういえばこんな注意点もあるな」という事項をいくつか挙げてみます。その後,本エントリーの下部で,タイトルにも書いた「最上級の直後のever」について解説します。

比較構文では,比較されるものが同類のものでなければならない

例えば『ロイヤル英文法』(旺文社, 改訂新版, 2000年)もこの点を指摘しています(同書p. 359)。
例:The population of Tokyo is larger than that (= the population) of Osaka. (東京の人口は大阪よりも多い。)
比較の対象は「東京の人口」と「大阪の人口」ですので,“The population of Tokyo is larger than Osaka.”とつい書きたくなりますが,そうではなく,上の例のように書きます。

「the+比較級」で「二者のうち一方のほうがより~」という意味を表す

例:This violin is the better of the two.
(2つの中ではこのバイオリンのほうが良い)

上の見出しと例のとおり,「二者のうち一方のほうがより~」と言う場合,最上級でなく「the+比較級」を通常用います。

比較級の強めには,veryではなくmuchやfar,by farなどを用いる

本エントリーで列挙している事項の中では有名だと思いますが,忘れていた方はチェックしましょう。
例:His idea is much better than mine.

同一の人や事物について,その異なる特性を比較する構文がある。

例えば『ロイヤル英文法』(旺文社, 改訂新版, 2000年)もこの点を指摘しています(同書p. 362)。次の例文は,同一の人について,その人の特徴を比較しています。
例:He is more a journalist than a scholar.(彼は学者というよりはジャーナリストだ。)

「…以上」や「…以下」など

“more than ten”は「10より多い」。「10以上」は“ten or more”や“from ten up”という。同様に,“less than ten”は「10未満」。「10以下」は“ten or less”という。

ほかとの比較ではなく,同一の人や事物の性質・状態などについての最上級には,普通theをつけない

例1:I was happiest in my high school days.(私は高校時代が一番幸せだった。)
例2:This lake is deepest at this point. (この湖は,この地点が最も深い。)

「the+比較級,the+比較級」で「~すればするほど…」の意味を表す

例:The sooner, the better. (早ければ早いほどよい。)

以上は,どの英語の文法書にも書いてある事項です。うろ覚えの箇所があれば復習しておきたいところです(繰り返しになりますが,比較級や最上級に関する重要事項は多く,上の解説も網羅的,体系的なものではありません)。

さて,本エントリーではさらに,「最上級の直後のever」という用法を紹介したいと思います。『TOEICテスト新公式問題集 Vol. 4』(国際ビジネスコミュニケーション協会, 2009年)の「TEST2 PART5」でも,この事項をズバリ問うた出題があります。

最上級の直後のever

everには,最上級の後について,最上級を強める用法があります。「これまでで,今までで」のような意味をなします。
例1:He is the greatest poet ever. (彼はこれまでで最も偉大な詩人だ。)
例2:That book was his best ever. (=That was the best book that he had ever written. その本は彼の生涯最高の傑作だった。)(『ジーニアス英和辞典』大修館書店, 第5版, 2014年)

なお,比較級の前後でもeverが使われ,比較級を強める用法があります。
例:It’s raining harder than ever. (雨がさらにいっそう激しく降っている。)(『新英和中辞典』第7版, 研究社, 2003年)

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