受動態の分詞構文はhaving beenも省略可能

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分詞構文には単純形と完了形があり,後者の場合,文の述語動詞の表す時よりも前の時を分詞構文は表します。
単純形の例:Drinking coffee, Mr. Kato watched television. (コーヒーを飲みながら,加藤氏はテレビをみた。)
完了形の例:Having drunk coffee, Mr. Kato watched television. (コーヒーを飲んでしまってから,加藤氏はテレビをみた。)

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また,分詞構文には受け身の動作や状態を表す受動態の分詞構文があります。“being+過去分詞”が用いられ,beingは,文頭に来る場合,省略することができます。
例:(Being) Written in plain English, this book is suitable for beginners.

本エントリーの本題はここからです。文の述語動詞の表す時よりも前の時を表し,かつ,受け身の動作や状態を表現する場合,分詞構文は,完了形の分詞構文と受動態の分詞構文の複合型になります。
例:Having been built in the late 1800’s, many of the Western style buildings in this area remain standing without serious damage. (建てられたのは1800年代末ですが,この地域の洋館の多くは重大な損傷なく依然立っています。)

having beenは省略することができます。つまり上の例文は次のものと同義です。
Built in the late 1800’s, many of the Western style buildings in this area remain standing without serious damage.

この,having beenが省略可能という点を知らないと,「分詞構文の箇所(1800年代後半のこと)は,文の述語動詞(現在時制)より前の時を表すべきなのに,完了形の形になっていない。だから,この文の書き方は正しくない」のように上の例文をとらえてしまいます。例えば,空所に入る語として適切なのはどちらでしょうかと,次の問題があったとします。

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—— in the late 1800’s, many of the Western style buildings in this area remain standing without serious damage.
(A) Built (B) Having built

正解は上の例文のとおり(A) Builtになるわけですが,having beenが省略可能という点を押さえていないと,「分詞構文の箇所(1800年代後半のこと)は,文の述語動詞(現在時制)より前の時を表すはず。よって,正解は完了形の分詞構文である(B) Having built」のように考え,間違えてしまいます。「この地域の洋館の多く」は「建てられた」ものなので,完了形の分詞構文であるだけでなく,受動態の分詞構文である必要もあります。よって(B) Having builtは不適で,Having been builtと書かなければなりません。そして,Having beenを省略した(A) Builtが正解になります。

本エントリーは,『TOEICテスト新公式問題集』(国際ビジネスコミュニケーション協会, 2005年)の「TEST1 PART5」134(p. 47)にヒントを得て,解説しようと考えた文法事項です。TOEICで狙われそうな事項を本サイトは取り上げているわけですが,正確な理解が大切だと感じる一例です。

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