絶対比較級って知ってますか?でも触れたように、通常、比較級の強調にはmuchなどがよく使われます。大学受験などでも頻出の事項で、ひっかけの選択肢がmanyやveryだったりします。下の例文で、muchは比較級more beautifulを強調しています。
She is much more beautiful than her mother. (彼女は母親よりずっと美しい。)
そのため、many more+複数名詞という形もあると聞くと、戸惑うというか、意表を突かれる方も多いと思います。例えば以下の2つ目や3つ目の例文のように、「ずっと多くの」の意味を表します。
There were five more applicants than the job openings. (空きポストより5人多くの応募者がいた。)
There were many more applicants than we had expected. (予想よりずっと多くの応募者がいた。)
I rate this restaurant five stars (many more in fact)! (このレストランに五つ星を付けます(実際は五つ星じゃ全然足りないですけど)!)
※「五つ星」は、上の“five stars”のほかに、“five-star”や“five-star rating”という言い方もあります。以下のように、同じパターンでいろいろな表現がありえるわけです。“a five-star hotel”や“a five-year-old girl”などは、「不定冠詞(a/an)+数詞+ハイフン(“-”)+単数名詞」という形です。
当サイト管理人の個人的な思い出ですが、大学院生時代、英語非常勤講師募集の求人を某大手予備校が出していました。1次試験が筆記、2次試験が面接でした。1次試験の問題にこの事項を問うものが出ていました。この事項に関しては、英語を教える側の先生も、ちゃんと勉強していないと、“five years old”と“a five-year-old girl”など、以下のような区別ができなくなってしまいます。予備校の採用試験ではそこを突いてきたのですね。
This hotel is five stars. (このレストランは五つ星です。)
This is a five-star hotel. (これは五つ星のレストランです。)
She is five years old. (彼女は5歳です。)
She is a five-year-old girl. (彼女は5歳の少女です。)
話が広がりました。many more+複数名詞に話題を戻します。不可算名詞には量を表すmuchが付きます。この形なら、「名詞を修飾する形容詞の比較級の強調」(すなわち「much+形容詞の比較級+名詞」。例えば“This is a much more beautiful flower than that.”など)と似てきます。が,今話題にしているのは「much more+不可算名詞」であり、やはり、ちょっと特殊な形です。
これらのmanyやmuchはfarやa lot,wayなどと置き換え可能です。日本でふつうに学校の勉強だけしていると(学校で習う英語も、ちゃんと勉強すれば、かなりのところまで身に付きますが)、最後のwayなんかは珍しいかもしれませんね。
I need much more money. (私はずっと多くのお金が必要だ。)
I need a lot more money. (同上)
I need a way more money. (同上)