would ratherという表現があります。大学受験英語にも出てきますが、割と難易度が高めだ(英語以外の科目も勉強しなきゃならないし、would ratherを覚え切るくらい英語をやり込む受験生は多くない)と思います。TOEICでも見かけますので、本エントリーで解説したいと思います。
would rather(またはhad rather)+原形不定詞(※)の基本的な意味は「むしろ~したい」です。ポイントを以下に整理したいと思います。
※原形不定詞とは、動詞の原形をそのまま用いるものです(要するに動詞の原形です)。
1.基本的な例
“How about a coffee?” “I’d rather have a cup of tea.” (「コーヒーはいかがですか?」「むしろ紅茶が欲しいな。」)
※上の例文のように、wouldはI’d、he’dのように短縮されることが多いです。ですが次のように、短縮されない例もあります。
I would rather quit than change my club. (部活を替えるくらいならむしろ辞めたい。)
過去の「~したかった」はwould rather have+過去分詞で表しますが、あまり用いられないとされます(『ロイヤル英文法』改訂新版,旺文社,2000年,p.506-507)。
2.疑問文はWould you rather~? ,否定形はwould rather not~の形を取ります。なお、話が広がってしまいますが,had better notやneed not(※),ought not toなど、notの位置を問う問題は英語の試験全般でよく見かけます。
(※)need notは助動詞としてのneedの場合。
例:You need not speak loud.
本動詞としてのneedの場合、以下の例のような形になります。
例:You don’t need to speak loud.
3.冒頭に述べたとおり、wouldの代わりにhadが来ることがあります。さらに、ratherの代わりにsoonerが来るなど、いろいろな変形があります。以下の形はみな「(…するくらいなら)むしろ~したい」という、同じ意味を表します。
would rather ~ (than …)
would sooner ~ (than …)
had rather ~ (than …)
had sooner ~ (than …)
would as soon ~(as …)
had as soon ~(as …)
例:I had sooner stay at home than go there. (そこへ行くくらいなら家にいた方がましだ。)
4.would ratherの後に、原形不定詞でなく節が来ることがあります。この場合、①節内の動詞は過去形になる②thatは省略するのが普通です。
例:I’d rather you told me frankly what you think. (思っていることを率直に言ってほしい。)