『公式TOEIC Listening & Reading 問題集6』(国際ビジネスコミュニケーション協会, 2020年)を読んでいると、certainが名詞の複数形を修飾する用例に出くわします。「TEST1 PART5」の107(p. 42)と125(p. 44)です。前者では、問題文の中で、次のように用いられています。一部を改変しつつ、本エントリーに必要な箇所だけ抜き出します(ちなみに後者では、正答ではない選択肢の一つとして出てきます)。
Employees agree to certain rules.
certainは形容詞として、「~を確信して、確かだと思って」、「~が確実な、確かな」、「一定の」、「ある~、とある~」、「いくらかの、ある程度の」などの意味を表します。例えば以下のとおりです(いずれも『新英和中辞典』第7版,研究社,2003年)。
at a certain place(一定の場所に)
I was told it by a certain person.(さる人からそれを聞いた。)
to a certain extent(ある程度(まで))
上の例もそうですが、certainには、単数形を修飾する用例が目立ちます。ですが、certainには名詞の複数形を修飾する用例もあります。以下のように、複数の辞典で確認できます(太字は当サイト管理人が施しました)。
I had certain expectations about the country where I was going to live. (私はこれから生活する国についてある程度の期待をもった。)(『ジーニアス英和辞典』第5版,大修館書店,2014年)
Certain people are always late for dinner. (『メリアム・ウェブスター英英辞典』ロゴヴィスタ(CD-ROM))
TOEICの文法・語法問題や単熟語を攻略する場合、高校の英語の教科書や、大学入試用の文法書や参考書の内容が身に付いていることが非常に重要(そのため、大学生や社会人(特に、英語が苦手~中級レベルくらいの大学生や社会人)がTOEICを受験する場合、本格的に取り組もうと思ったら、それらを復習することが有用。そのための時間のねん出が鍵)だと考えます。が、certainに関しては、高校英語や大学入試では、上に紹介した「~を確信して、確かだと思って」、「~が確実な、確かな」、「一定の」、「ある~、とある~」、「いくらかの、ある程度の」などの意味や、単数形を修飾する用法を叩き込まれるはずです。上記のように複数形を修飾する場合もある点は、盲点のはずです。高校英語や大学入試よりも、TOEICを通じて深く英語を学べる部分だと思いましたので、本エントリーで紹介する次第です。