副詞の主な用法は、動詞や形容詞、副詞などを修飾することです。一方、形容詞は名詞を修飾します(形容詞の用法はこれだけではありませんが、副詞と対照的な部分だけを取り出せばこういえます)。
副詞の例:
1. Read the sentence carefully. (その文を注意して読みなさい。)
→副詞carefullyが動詞readを修飾しています。
2. I’m really sorry.(本当に申し訳ありません。)
→副詞reallyが形容詞sorryを修飾しています。
3. He speaks Japanese very well.(彼はとても上手に日本語を話す。)
→副詞veryが副詞wellを修飾しています。
形容詞の例:
a tall man (背の高い男)
→形容詞tallが名詞manを修飾しています。
なお、
Only Mr. Parker understood what was happening.(パーカー氏だけには何が起こっているのか分かっていた。『ロイヤル英文法』(改訂新版,旺文社,2000年)p. 318)
のように、副詞が名詞を修飾する例もあります。
さて、TOEICのPART5でよく見かけるタイプの設問に、副詞は副詞を修飾する(上の副詞の例3)点を問うものがあります。例えば次のような問題です。空所に入る語として適切なのはどちらでしょうか?
Because several celebrities recommended them, our company’s products sold —— well. (何人かの有名人が推薦したため、わが社の製品は驚くほどよく売れた。)
(A) amazing (B) amazingly
↓
↓
副詞wellを修飾することができる副詞(B) amazinglyが正解です。副詞が副詞を修飾する場合があるのは、日本語も同じです(例:「彼はとてもゆっくり歩いた。」←副詞「ゆっくり」を副詞「とても」が修飾しています)。この点を押さえていれば、間違える確率はぐっと低くなります。楽曲の「アメイジング・グレイス」(“Amazing Grace”)を何となく思い出して、(A) amazingを何となく選んでしまう、などのないようにしましょう。
なお、上の問題文の後半は“our company’s products sold amazingly well”となるわけですが、動詞sell(過去形はsold)は自動詞にも他動詞にも用いられます。本問の場合は目的語がないので、自動詞です。すなわち“our company’s products sold.”で「わが社の製品は売れた」という意味になります。
以上は、初心者向けの内容かもしれませんが、TOEICのPART5でよく見かけますし、中級者以上の方も、時間内で速く解くことを意識し過ぎるあまり、ついうっかり間違えてしまうことがあるかもしれません。おさらいの意味も込めて本エントリーを書いた次第です。
※本エントリーがヒントにした設問:『公式TOEIC Listening & Reading 問題集6』(国際ビジネスコミュニケーション協会, 2020年)の「TEST1 PART5」112(p. 43)