『ETS TOEIC 定期試験既出問題集 1000 Vol.3 Reading』(原題は韓国語)(YBM, 2022年)の「TEST3 PART6」139-142(p. 85)に“I hope that all are well.”という表現が出てきます。
wellには副詞や形容詞などの用法があり、各辞典には例えば次のような用例が載っています。
(副詞の用例)
Everything is going well with me. (すべてうまくいっています。『ジーニアス英和辞典』第5版,大修館書店,2014年)
(形容詞の用例)
Things are well enough. (情勢はまずまずのところだ。『新英和中辞典』第7版,研究社,2003年)
All is not well. (すべてがうまくいっているわけではない。『ジーニアス英和辞典』第5版,大修館書店,2014年)
All [Everything] is well with us. (私たちは万事がうまくいっている。(同上))
All’s well that ends well. (終わりよければすべてよし。(ことわざ。2つめのwellは副詞。Shakespeareの戯曲の題名にもなっている)(同上))
英辞郎on the WEB Proでは、レターやEメールの冒頭の文に使われるという趣旨のラベルを付与したうえで、次の例文を掲載しています。
I hope all is well with you. (全て順調であることを願います。◆「いつもお世話になっております」の代わりに使える 英辞郎on the WEB Pro)
ということで、次の表現は決まり文句的に覚えてしまうと良いと思われます。
I hope all are well. (半角のクォーテーションマーク(二重引用符) 「 “” 」でキーワードを囲んでGoogle検索をすると、本エントリー作成時点で7万4100件ヒット)
I hope that all are well. (同じ条件で58万1000件ヒット)
I hope all is well. (同じ条件で108万件ヒット)
I hope that all is well. (同じ条件で101万件ヒット)
I hope you are well. (同じ条件で932万件ヒット)
I hope you are doing well. (同じ条件で325万件ヒット)
ところで、上に紹介した『ETS TOEIC 定期試験既出問題集 1000 Vol.3 Reading』(原題は韓国語)(YBM, 2022年)の「TEST3 PART6」139(p. 85)は、少しやっかいな設問です。冒頭が空欄になっており、正解は“I hope that all are well.”です。これだけなら上記の事項を覚えていれば解けるのですが、選択肢の中に“Thanks for the generous contribution.”(惜しみない貢献をありがとうございます。)という一文が紛れています。この表現も、レターやEメールの冒頭の決まり文句としてもOKであるように思えてしまいます(「いつもお世話になり、ありがとうございます」的な決まり文句に見えてしまいます)。
“Thanks for the generous contribution”とグーグル検索すると4万6500件ヒットするので、不自然な英語ではなさそうです。不正確な英語がネット上に拡散することはありうるので、目安にすぎませんが、「 “” 」でキーワードを囲んでGoogle検索をした際のヒット数があまりに少ない場合、不自然/不正確な英語の可能性が高いです。
ですが、検索結果の内容をよく見ると、レターやEメールの冒頭の決まり文句というよりは、具体的に何かをしてもらった際の御礼の言葉だろうと推測できます。そのため“Thanks for the generous contribution.”ではなく“I hope that all are well.”になる、という構成になっています。高得点を狙う場合は注意したい設問です。