【TOEIC頻出】put onとwear

突然ですが、あなたは、put onとwearの違いを説明できますか?

「え~っと、どっちも「着る」だよな…?」と答えられる人は、一定以上の英語力があります。put onで「(衣類を)着る、(ズボンや靴などを)はく、(帽子などを)かぶる、(手袋などを)はめる、(化粧を)する」などの意味になることや、wearには名詞(「(衣類の)着用」や「衣類」、「すり切れ,摩耗,着古し」など)だけでなく動詞もあることを知っている人は多くはないだろうからです。

では、冒頭のように、wearとput onの違いをはっきり説明するとなると、どうでしょう?この点はTEOICに頻出の事項でもあり、しっかり押さえたいところです。結論から書くと次のとおりです。

  • put onはその場で「身に着ける」という動作を表す。
  • wearは「身に着けている」という状態を表す。

です。動作を表わす動詞と状態を表す動詞の違いは、前者は進行形になるが、後者は原則として進行形にならない(原則の例外:一時的な状態を表す場合などは進行形になる)、という点にあります。例えば、resemble(似ている)という動詞は状態を表し、原則的に、進行形にはなりません。「…ている」という字面だけみると「動作(進行形)を表すのかな?」と勘違いしそうになってしまいますが、意味を考えれば、動作でなく状態でOKだと分かるかと思います。

He resembles you. (彼はあなたに似ているね。)

※ただし、英語を母語としない日本人には、100%完璧に理解しづらい面もあるなあと思います。まあ仕方ないですね。例えばsleepは動作を表わす動詞であり、進行形OKとされます。つまり

He is sleeping. (彼は眠っている。)

上の例文は正しいです。ですが、「彼は眠っているって、動作というより、状態じゃないかなあ」という気もします。上記のとおり「英語を母語としない日本人には、100%完璧に理解しづらい面もある。まあ仕方ない。一つ一つ、コツコツ覚えるしかない」と思います。なお、上の例文に関しては英語ネイティブも同じように感じるのでしょうか、

He is asleep.

の方が自然とのことです(『ジーニアス英和辞典』第5版,大修館書店,2014年.この場合のasleepは形容詞)。

話が広がりました。戻します。

上に書いたとおり「put onは動作(その場で「身に着ける」)。wearは状態(「身に着けている」)」はTOEICによく出ますので、覚えましょう。ただし、

She wore a white evening gown at the party. (彼女はパーティーで白い夜会服を着ていた。『ロイヤル英文法』改訂新版,旺文社,2000年,p.381.woreはwearの過去形)

例えば上の例文は、「…していた」と訳されますが、あくまでworeは状態を表します。上にも書きましたが、ある動詞について「…している(していた)」という日本語だけを目印にすると、その動詞が動作(進行形)を表すのか、それとも状態を表すのか、混乱してしまいますので注意が必要です。

また、上の例文は、

She was wearing a white evening gown at the party. (同上)

とすることも可能です。この場合でも状態(永続的でない、一時的な状態)を表しています。つまり「進行形のwearを見かけることはない、ということではない」です。

なお仮に、上の例文が

She put on a white evening gown at the party.

である場合、(それまでは着ていなかったが)「彼女はパーティーで、白い夜会服を着た」ことになります。

まずはリスニングの際に注意

なんだかいろいろ書いてしまいました。TOEICのことを考えると、以上から、何がいえるでしょうか?

もちろん、文法問題などでも気は抜けませんが、まず注意が必要なのはリスニングです。

  • He is putting on a jacket. (彼はジャケットを着ている(動作)
  • He wears [is wearing] a jacket. (彼はジャケットを着ている(状態)

上の2つでは、それぞれの英文と合致する写真が違ってきます。この点をひっかけに使ってくる問題がありますので留意しましょう。上の例に限りませんが、英文をGoogle画像検索すると違いがよく分かる場合があります。

※余談ですが、当サイト管理人はTOEICを受験していて、“He is holding a jacket.”という表現に出くわしたことがあります(注:TOEICの設問自体をここで暴露しているわけではありません)。これもGoogle画像検索が便利ですが、「ジャケットを(折って手にかけるように)手に持っている」という意味になります。

wearには「(…を)すり減らす、使い古す」という意味もあります。考えてみれば日本語もそうですが、英語も、勉強できることは無数にあるなあと思います。

His shoes are worn out. (彼の靴はすっかりすり減っている。)

put onの対義語はtake offput off(延期する)ではなく)です。ただし、名詞のtakeoffまたはtake-offは「離陸」などの意味です。

He took off his shoes. (彼は靴を脱いだ。)

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投稿者: robin

robinと申します。学生時代に1回だけ受けたTOEICで945点。「初受験でたまたま高得点取れたから、「勝ち逃げ」でいいか…」みたいに思っていましたが、考えるところがあり、最近また勉強を始めました。 <TOEIC戦績> TOEIC® Listening & Reading公開テスト 自己ベスト980点 TOEIC® Listening & Reading Institutional Program (IP) online Test 自己ベスト980点 リスニング495点満点通算12回(公開テスト8回、IPテスト1回、IPテスト(オンライン)3回。通算12回中、11回は連続で495点満点) TOEIC® Speaking & Writing Tests Speaking 170 Writing 180(受験回数1回。今後もっと受けたいです) IIBC AWARD OF EXCELLENCE 受賞 <その他> 英検1級 日本翻訳連盟 3級翻訳士(科目:和文英訳 分野:情報処理) 大学で英語科目を担当(18年目) TOEIC LR 990点を目標にがんばります。 このウェブサイトでは、自分自身のメモも兼ねて、TOEICのスコアアップに役立つ情報や英語全般について書いていきます。 将来はTOEIC以外の英語に関する話題についても書きたいです。そうなったら、サイトのタイトルも変えるかも。

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