『ETS TOEIC 定期試験既出問題集 1000 Vol.3 Reading』(原題は韓国語)(YBM, 2022年)の「TEST4 PART6」設問141(p. 115)に、
Store managers are confident that the few days of inconvenience will be well worth it. (数日ご不便をおかけすることになりますが、その価値はあると店長たちは確信しています。)
という英文が出てきます。設問ではfewの箇所が空欄になっており、4つの選択肢の中から正答を探さねばなりません。
上の設問では文脈的に、正答fewを選ぶのはさほど難しくないと思われますが、大学受験英語などで
few:ほとんど…ない
a few:2、3の
とペアで覚えていた方が多いと思います。ちなみに、やはり大学入試で、little(ほとんど…ない)とa little(少しはある)もペアで覚えますね。fewは可算名詞を、littleは不可算名詞を修飾します。
上の記憶が強い人ほど、「a fewなら習ったが、the fewなどという形はあるのだろうか?」と、正答fewを選ぶのを躊躇するかもしれません。
結論からいうと、冒頭の英文のように、the fewという形はあります。定評のある『新英和中辞典』(第7版,研究社,2003年)では、one of the few relatives (that) she has (数少ない彼女の親戚の一人)という用例を挙げたうえで、「特定のものをさす時にはaがtheやone’sに変わる」という説明を付しています(強調、当サイト管理人)。
やはり定番の『ジーニアス英和辞典』(第5版,大修館書店,2014年)も「限定されたものを指す場合はtheをつける」と解説したうえで、read the first few pages(最初の数ページを読む)、for the last [past] few years (ここ最近の数年間)などの用例を紹介しています(強調、当サイト管理人)。
挙げればキリがありませんが、『ETS TOEIC 定期試験既出問題集 1000 Vol.3 Reading』(原題は韓国語)(YBM, 2022年)の「TEST7 PART6」設問131-134(p. 203)の問題文にもin the next few daysという表現が出てきます(強調、当サイト管理人)。
なお、上記のように、fewは「ほとんど…ない」。それに対して「a fewは2、3の」だと受験英語では覚えることが多いかもしれません。正確には、ある状況をfewと表現するか、それともa fewと表現するかは話者や書き手の気持ちの問題である(話者や書き手が「ほとんどない」と感じたらfew. 「少しはある」と感じたらa few)とされています。a fewの具体的な数も、必ず「2、3の」であるわけではなく、文脈によります(littleとa littleについても同様)。頼りになる文法書『ロイヤル英文法』(改訂新版,旺文社,2000年)のコラム(p. 294)でも次のとおり指摘されています。
a fewは辞書などでは「2、3の」の訳語が与えられている場合が多いが、Please wait here a few minutes. (ここでしばらくお待ちください)と言われれば、実際には5、6分から10分は待たされることを覚悟したほうがよいといわれる。