本エントリーは副詞に関する話題です。高校の英語で「副詞は動詞や形容詞、副詞、文全体などを修飾する」と習いますね。一方、形容詞は名詞や代名詞を修飾します(参考:副詞は副詞を修飾する:副詞は何を修飾するか?のおさらい)。
副詞というと、イコール語尾が“ly”と覚えてしまいがちです。ところがそうとはかぎりません。often, soon, tooなど、語尾が“ly”ではない副詞はたくさんあります。
一方、early, weeklyなど、語尾が“ly”の形容詞もたくさんあります。例文を2つ見てみましょう。
He caught an early train. (彼は早朝の列車に乗った。)
He was reading a weekly magazine. (彼は週刊誌を読んでいた。)
上の例で、earlyは名詞trainを、weeklyは名詞magazineをそれぞれ修飾しており、形容詞です(※)。
※ただし、earlyとweeklyはいずれも、副詞として用いられる場合もあります。
The sun sets early in winter. (冬には太陽は早く沈む。このearlyは動詞setsを修飾しており、副詞です。『ジーニアス英和辞典』大修館書店,第5版,2014年)
I receive my pay weekly. (私は給料は週給でもらう。このweeklyは動詞receiveを修飾しており、副詞です。『ルミナス英和辞典』研究社,第2版,2005年)
つまり、副詞イコール語尾が“ly”とはかぎりませんし、語尾が“ly”でも副詞ではない場合もあります。このこととTOEICの問題は、どう結びつくでしょうか。例えば次のような出題があり得ます。
We had a —— conversation.
(われわれは活気のある会話をした。または「われわれは活発に話し合った」「会話が弾んだ」という訳でもよさそうです。)
(A) live (B) lively
空所に入る語として適切なのは,(A)と(B)どちらでしょうか?
↓
↓
副詞イコール語尾が“ly”と思い込んでいると、「livelyは副詞のはず→基本的に、名詞conversation(会話)を修飾するのは副詞でなく形容詞だから、答えはlivelyでなくlive」のように考えてしまいがちです。
ところが、形容詞のliveは「生きている、生放送の」といった意味です。一方livelyにも形容詞としての用法があり、「元気な、活発な」などの意味を表します。というわけで正解は(B) livelyです。
こうした問題への対策は、ほかのエントリーでも同様のことを書いていますが、小まめに辞典を引いて語彙力を強化することに加えて、「暗唱できるまで例文を頭に叩き込む」をやはりおススメします。単語だけを覚えようとすると、どうしても混乱しがちです。それよりも、辞典やTOEIC用の問題集に出てくる例文ごと、暗唱できるようになるまで何回も口に出して覚えておくと、類題が出たときにとっさに対応できます。