今回は、英語の話題でもあり、日本語の話題でもあるようなエントリーです。
本エントリーの読者の皆さまは、「…おき」と「…ごと」の違いや、それらを英語でどう言うかを考えたことがありますでしょうか?
仮に、ある人が賃貸マンションに住んでおり、マンションの更新が2年に1回だとします。更新なしの年を白丸○で、更新ありの年を黒丸●で表すと、次のようになります。この場合、マンションの更新(黒丸●)は「1年おき」とも「2年ごと」ともいえます。
○●○●○●…(以下続く)
英語では、どちらも
every other [second] year
または
every two years
です。
もし3年に1回(すなわち「2年おき」「3年ごと」)の場合、
every third year [three years]
になります。every third yearだと、最初の年から数えて3番目の年。every three yearsだと、3年を1単位としてまとめて考える、のようなイメージです。
上の例から分かるとおり、序数詞(secondやthirdなど)やevery otherには単数名詞が続きます。基数詞(twoやthreeなど)には複数名詞が続きます。
まとめると、「…おき」と「…ごと」は、上の各例のように、英語だと数字は同じ。日本語だと表現によって数字が異なりうる、といえます。
ただし、少しややこしいですが、「…おき」と「…ごと」を区別せず、同じ意味で用いる場合―そういう場合は日本語の日常会話でもあります。英語でもあるようです―の例文として、各辞典には次のようなものが載っています。
電車は5分おきに走っています。
The trains run every five minutes [at five-minute intervals].
(『新英和中辞典』第7版,研究社,2003年)「空港バスは何分おきですか」「20分おきです」
“How often does the airport bus run?” “Every twenty minutes.”
(『ジーニアス英和辞典』第5版,大修館書店,2014年)
上の各例文は、「…分おき」だからといって、生真面目にevery four minutesやevery nineteen minutesとは書いていません。あるいは、日本語の「5分おきに走っています」や「20分おきです」の方が「5分(20分)おきです」と「5分(20分)ごとです」を生真面目に区別せず、同じ意味で用いている、ということかもしれません。