many more+複数名詞とmuch more+不可算名詞

絶対比較級って知ってますか?でも触れたように、通常、比較級の強調にはmuchなどがよく使われます。大学受験などでも頻出の事項で、ひっかけの選択肢がmanyやveryだったりします。下の例文で、muchは比較級more beautifulを強調しています。

She is much more beautiful than her mother. (彼女は母親よりずっと美しい。)

そのため、many more+複数名詞という形もあると聞くと、戸惑うというか、意表を突かれる方も多いと思います。例えば以下の2つ目や3つ目の例文のように、「ずっと多くの」の意味を表します。

There were five more applicants than the job openings. (空きポストより5人多くの応募者がいた。)

There were many more applicants than we had expected. (予想よりずっと多くの応募者がいた。)

I rate this restaurant five stars (many more in fact)! (このレストランに五つ星を付けます(実際は五つ星じゃ全然足りないですけど)!)

※「五つ星」は、上の“five stars”のほかに、“five-star”や“five-star rating”という言い方もあります。以下のように、同じパターンでいろいろな表現がありえるわけです。“a five-star hotel”や“a five-year-old girl”などは、「不定冠詞(a/an)+数詞+ハイフン(“-”)+単数名詞」という形です。

当サイト管理人の個人的な思い出ですが、大学院生時代、英語非常勤講師募集の求人を某大手予備校が出していました。1次試験が筆記、2次試験が面接でした。1次試験の問題にこの事項を問うものが出ていました。この事項に関しては、英語を教える側の先生も、ちゃんと勉強していないと、“five years old”と“a five-year-old girl”など、以下のような区別ができなくなってしまいます。予備校の採用試験ではそこを突いてきたのですね。

This hotel is five stars. (このレストランは五つ星です。)

This is a five-star hotel. (これは五つ星のレストランです。)

She is five years old. (彼女は5歳です。)

She is a five-year-old girl. (彼女は5歳の少女です。)

話が広がりました。many more+複数名詞に話題を戻します。不可算名詞には量を表すmuchが付きます。この形なら、「名詞を修飾する形容詞の比較級の強調」(すなわち「much+形容詞の比較級+名詞」。例えば“This is a much more beautiful flower than that.”など)と似てきます。が,今話題にしているのは「much more+不可算名詞」であり、やはり、ちょっと特殊な形です。

これらのmanyやmuchはfarやa lot,wayなどと置き換え可能です。日本でふつうに学校の勉強だけしていると(学校で習う英語も、ちゃんと勉強すれば、かなりのところまで身に付きますが)、最後のwayなんかは珍しいかもしれませんね。

I need much more money. (私はずっと多くのお金が必要だ。)

I need a lot more money. (同上)

I need a way more money. (同上)

絶対比較級って知ってますか?

絶対比較級とは

比較の対象をはっきり示さないで、あるものを漠然と2つに分けて、そのうちの程度の高い方を表す形容詞の比較級の用法絶対比較級といいます(絶対最上級については最上級に定冠詞theが付かない場合を参照してください)。

もう少し詳しく理解するために、専門的な文法書を見ておきたいと思います。

『英文法総覧』(改訂版,開拓社,1996年,p.351.強調、当サイト管理人)は、絶対比較級を、「比較の意味をもたず、問題となっている対象が、ある性質を「どちらかといえば比較的多く」持っていることを表す、一種の「ぼかし表現」である」としています。同書はdresses for larger women(大きめの御婦人用洋服)を例に出し、それが「dresses for large womenよりも、ずっと柔らかな表現」だと述べています。

『現代英文法講義』(開拓社,2005年,p.574.下線、当サイト管理人)は次のとおり指摘しています。

年配の人は、old manと呼ばれるのはいやがるが、older manと呼ばれるのには異議を唱えないかもしれない。olderは、oldほど年とっていないように思われるからである。(中略)原級を用いた表現より丁寧な印象を与える。商業関係者が絶対比較級を多用するのは、この効果のためである

上の引用箇所で下線を引いたうち、「olderは、oldほど年とっていないように思われる」は、英語を母語としない日本人にはちょっと分かりづらいようにも思います。この点について、『ロイヤル英文法』(改訂新版,旺文社,2000年,p.364)は、the younger generationという表現は、1つの世代(generation)を大きく2つに分け、若い方をyoungerで示すものであり(年配の方はolder)、その大きな分け方であるthe younger generationに含まれる一部がthe young generationである旨を解説しています。

この解説に従って考えると、the young generationの方がthe younger generationより若いことになります。同様に、the old generationの方がthe older generationより年を取っていることになり、上記『英文法総覧』や『現代英文法講義』の説明が一層理解できます。デパートの売り場の看板やポップは、絶対比較級になりそうです。

絶対比較級の特徴

絶対比較級には次の特徴があります。

1.than…の形を取らない。

People worry about the rising cost of higher education. (人々は高等教育の費用の値上がりを懸念している。)

2.名詞の前に置かれることが多い。

The education he received is higher.

よりも

He received a higher education. (彼は高等教育を受けた。)

の方が自然。『ロイヤル英文法』(改訂新版,旺文社,2000年,p.364)は“This is a higher class hotel.”(ここは高級ホテルです)は正しく、“The class of this hotel is higher.”は誤りだと言い切っています。

3.muchなどで強調することができない。

通常、例えば以下のように、比較級の前にはmuchなどを付けて強調することができますが、絶対比較級の場合はそれが不可とされています。

Mike is much stronger than Tom. (マイクはトムよりずっと強い。)

参考:通常、比較級の強調や修飾に使われる語句の例

much, very much(←比較級の強調はveryではなくmuchですと最初は習うとと思いますが、very単体ではなく、このようにvery muchという形もあることに注意), far, by far, far and away, a lot, lots, even, still, a good deal, a great deal, a bit, a little bit, considerably, rather, somewhat, any, no, way, many more+可算名詞, much more+不可算名詞, ever

比較的珍しいものも上記には含まれています。いくつか例を挙げておきます。

Mike is very much stronger than Tom. (マイクはトムよりずっと強い。上記のとおり、very単体ではなく、このようにvery muchという形もあることに注意)

Mike is somewhat stronger than Tom. (マイクはトムよりいくらか強い。)

Mike is a lot stronger than Tom. (マイクはトムよりずっと強い。)

Mike is stronger than Tom, but George is even [still] stronger than Mike. (マイクはトムより強いが、ジョージはマイクよりさらに強い。)

I can’t wait any longer. (私はもう待てない。)

I can walk no further [farther]. (もうこれ以上歩けない。『新英和中辞典』第7版,研究社,2003年)

4.対になった言い方が多い(本エントリー「絶対比較級とは」参照)。

the younger generation — the older generation (若い世代 — 年を取った世代)

the lower animals — the higher animals (下等動物 — 高等動物)

the upper reaches of a river — the lower reaches of a river (川の上流 — 川の下流)

5.「比較的」、「かなり」と訳す場合も多い。

the brighter side of life (人生の比較的明るい側面←当サイト管理人注:前後の文脈にもよりますが、「比較的」と訳すことができます)

【TOEIC頻出】put onとwear

突然ですが、あなたは、put onとwearの違いを説明できますか?

「え~っと、どっちも「着る」だよな…?」と答えられる人は、一定以上の英語力があります。put onで「(衣類を)着る、(ズボンや靴などを)はく、(帽子などを)かぶる、(手袋などを)はめる、(化粧を)する」などの意味になることや、wearには名詞(「(衣類の)着用」や「衣類」、「すり切れ,摩耗,着古し」など)だけでなく動詞もあることを知っている人は多くはないだろうからです。

では、冒頭のように、wearとput onの違いをはっきり説明するとなると、どうでしょう?この点はTEOICに頻出の事項でもあり、しっかり押さえたいところです。結論から書くと次のとおりです。

  • put onはその場で「身に着ける」という動作を表す。
  • wearは「身に着けている」という状態を表す。

です。動作を表わす動詞と状態を表す動詞の違いは、前者は進行形になるが、後者は原則として進行形にならない(原則の例外:一時的な状態を表す場合などは進行形になる)、という点にあります。例えば、resemble(似ている)という動詞は状態を表し、原則的に、進行形にはなりません。「…ている」という字面だけみると「動作(進行形)を表すのかな?」と勘違いしそうになってしまいますが、意味を考えれば、動作でなく状態でOKだと分かるかと思います。

He resembles you. (彼はあなたに似ているね。)

※ただし、英語を母語としない日本人には、100%完璧に理解しづらい面もあるなあと思います。まあ仕方ないですね。例えばsleepは動作を表わす動詞であり、進行形OKとされます。つまり

He is sleeping. (彼は眠っている。)

上の例文は正しいです。ですが、「彼は眠っているって、動作というより、状態じゃないかなあ」という気もします。上記のとおり「英語を母語としない日本人には、100%完璧に理解しづらい面もある。まあ仕方ない。一つ一つ、コツコツ覚えるしかない」と思います。なお、上の例文に関しては英語ネイティブも同じように感じるのでしょうか、

He is asleep.

の方が自然とのことです(『ジーニアス英和辞典』第5版,大修館書店,2014年.この場合のasleepは形容詞)。

話が広がりました。戻します。

上に書いたとおり「put onは動作(その場で「身に着ける」)。wearは状態(「身に着けている」)」はTOEICによく出ますので、覚えましょう。ただし、

She wore a white evening gown at the party. (彼女はパーティーで白い夜会服を着ていた。『ロイヤル英文法』改訂新版,旺文社,2000年,p.381.woreはwearの過去形)

例えば上の例文は、「…していた」と訳されますが、あくまでworeは状態を表します。上にも書きましたが、ある動詞について「…している(していた)」という日本語だけを目印にすると、その動詞が動作(進行形)を表すのか、それとも状態を表すのか、混乱してしまいますので注意が必要です。

また、上の例文は、

She was wearing a white evening gown at the party. (同上)

とすることも可能です。この場合でも状態(永続的でない、一時的な状態)を表しています。つまり「進行形のwearを見かけることはない、ということではない」です。

なお仮に、上の例文が

She put on a white evening gown at the party.

である場合、(それまでは着ていなかったが)「彼女はパーティーで、白い夜会服を着た」ことになります。

まずはリスニングの際に注意

なんだかいろいろ書いてしまいました。TOEICのことを考えると、以上から、何がいえるでしょうか?

もちろん、文法問題などでも気は抜けませんが、まず注意が必要なのはリスニングです。

  • He is putting on a jacket. (彼はジャケットを着ている(動作)
  • He wears [is wearing] a jacket. (彼はジャケットを着ている(状態)

上の2つでは、それぞれの英文と合致する写真が違ってきます。この点をひっかけに使ってくる問題がありますので留意しましょう。上の例に限りませんが、英文をGoogle画像検索すると違いがよく分かる場合があります。

※余談ですが、当サイト管理人はTOEICを受験していて、“He is holding a jacket.”という表現に出くわしたことがあります(注:TOEICの設問自体をここで暴露しているわけではありません)。これもGoogle画像検索が便利ですが、「ジャケットを(折って手にかけるように)手に持っている」という意味になります。

wearには「(…を)すり減らす、使い古す」という意味もあります。考えてみれば日本語もそうですが、英語も、勉強できることは無数にあるなあと思います。

His shoes are worn out. (彼の靴はすっかりすり減っている。)

put onの対義語はtake offput off(延期する)ではなく)です。ただし、名詞のtakeoffまたはtake-offは「離陸」などの意味です。

He took off his shoes. (彼は靴を脱いだ。)

最上級に定冠詞theが付かない場合

英語の最上級について最初に習うとき、the+ estまたはthe+mostという形(最上級には定冠詞theがつく)をとにかく覚える場合が多いと思います。

February is the shortest of all the months. (2月は全ての月の中で一番短い。)

ところが以下のとおり、最上級に定冠詞theを付けない場合もけっこうあります。このエントリーではそれについて整理してみましょう。

1.冠詞相当語

形容詞の最上級が名詞を修飾する場合(すなわち限定用法の場合)にはtheが付きます。上に述べた、最上級を最初に習うときに典型的であろう例です。ただし例外があり、theの代わりに名詞・代名詞の所有格や、thisやthatなどが付く場合があります(冠詞相当語)。文法的には、次の2つの文はどちらも正しいです。

This is the best work of his career. (彼のキャリアの中でこれは最高傑作だ。)

This is his best work. (これが彼の最高傑作だ。)

2.同一の人や事物についての比較

ほかとの比較ではなく、同一の人や事物についての比較を表す形容詞が補語として用いられている場合(すなわち叙述用法の場合)、ふつう(※)、theを付けません(ほかのエントリーでも書きましたが、「同一の人や事物についての比較」って分かりづらいですが、以下を読んでいただければ「こういう話か」とピンと来てもらえると思います)。

This lake is deepest here. (この湖はここが一番深い。)

次のような場合(同一の湖についてではなく、異なる別の湖と比較している場合)にはtheが付きます。上の例文とペアで覚えましょう。

This lake is the deepest in this country. (この湖がこの国で一番深い。)

※上で「ふつう、theを付けません」と書きました。信頼できる文法書『ロイヤル英文法』(改訂新版,旺文社,2000年,p.365)は、アメリカ英語ではtheを付けることもあると述べています。

3.叙述用法の形容詞

「2.」のほかにも、叙述用法の形容詞の場合(すなわち形容詞が補語として用いられる場合)、theを付けないことがあります。

His failure is plainest. (彼の失敗は極めて明白だ。『ロイヤル英文法』改訂新版,旺文社,2000年,p.366. 同書は、この場合の最上級は強意用法であるとしています。)

※当ブログ管理人補足:それでは強意用法とは何かが気になる人もいると思います。あまり聞き慣れない言葉だからです。「意味を強める文章表現の手法」と理解しておけばよいです。

4.副詞の最上級

副詞の最上級にはtheを付けないこともあります(付けることもあります。そのため、以下の例文でtheはかっこ書きになっています。付けても付けなくてもどちらも正しいです)。

Who ran (the) fastest? (誰が一番速く走りましたか?)

5.絶対最上級

「a most+原級+単数名詞」や「most+原級+複数名詞」、または「most+形容詞/副詞」で、比較の対象をはっきり表さず、話し手の個人的感情や意見を示すものとして、程度が極めて高いことを表す用法があり、絶対最上級と呼びます。「超すごい圧倒的な最上級」のことか??と思えるかもしれませんが、「相対的でない最上級」のような意味でしょうね。

この用法では、通常はestの規則変化をする形容詞もmostを用いて最上級を作ります。上のとおり、その際theを付けません。

気づいた人は鋭い!ですが、絶対最上級はveryと同じような意味です。veryよりも固い言い方であるとされます(『ロイヤル英文法』改訂新版,旺文社,2000年,p.367)。

This is a most delicious cake. (これはとてもおいしいケーキだ。)

ただし、ややこしいことに、絶対比較級に不可算名詞を用いる場合はtheが付くのがふつう(付けない場合もある)とされます。また、the … estの形で絶対最上級を表す場合もあります。信頼のおける文法書『ロイヤル英文法』と『新マスター英文法』がそれぞれ次の例文を挙げています。

I owe him (the) deepest gratitude. (彼にはとても感謝しています。改訂新版,旺文社,2000年,p.367)

He showed the greatest patience. (彼は非常な忍耐を示した。『新マスター英文法』聖文新社,2008年,p.327)

6.「たいていの、大部分の」のmost

mostが「大抵の、大部分の」という意味で用いられる場合、その前にtheは付けません。

In most cases, apples are popular. (大抵の場合、リンゴは好まれる。)

参考:most、most of、almostの違いを即答できるか?

7.成句(at last, at long lastなど)

at lastat long last(ついに、とうとう、やっと)などの成句ではtheが付いていません。ただし、上の成句にtheを付したat the lastat the long lastという表現がないわけではありません。“at the last”や“at the long last”でGoogle検索すると多数のヒットがあります。特にat the lastには

at the last minute, at the last moment(直前になって,土壇場で)

という、at lastとは意味の異なる用法があります。

まとめ

マニアックな英語サイト・英語ブログの多くが「短絡的に、最上級にはtheが付くと覚えるのは間違い!」だと指摘しています。また、『英文法総覧』(改訂版,開拓社,1996年,p.355)も「「最上級には定冠詞がつく」というように頭から考えるべきではな」いとしています(強調、当サイト管理人)。実際、上のように整理すると、そのとおりで、最上級と定冠詞theの有無にはさまざまなパターンがあることが分かりますね。

er, estの比較変化をする語にmoreを使う場合:同一の人や事物の比較

英語の比較級には、異なる人や事物同士を比較するのでなく、同一の人や事物を比較する構文があります(「同一の人や事物を比較」って分かりづらいですが、以下を読んでいただければ「こういう話か」とピンと来てもらえると思います)。

This dress is more comfortable than elegant. (このドレスはエレガントというよりは着心地が良い。)

上の文は、異なる2つのドレスを比べているのではなく、同一のドレスについて、エレガントというよりは着心地が良いと述べています(すなわち同一の事物の異なる特性を比較しています)。

This dress is comfortable rather than elegant.

と同義ですね。

この構文にはer, estの比較変化をする語も原則としてmoreを用いるという特色があります。

This dress is more pretty than comfortable. (「このドレスは着心地が良いというよりは可愛い。」→prettyは通常、prettier, prettiestという変化をするが、この例文の場合はmore prettyの形を取る。)

ただし、①than以下の主語+beを省略しない場合、②不規則変化の語の場合は例外です。

①の例:He is wiser than he is clever. (彼は頭がいいというよりも賢い。)

※昔のことであり、どの書籍に書いてあったか失念してしまったのですが(確か、大学受験の参考書か、または、初めて海外に行く前に読んだ英会話本だったように思います)、cleverは優等生的に「頭が良い」、wiseはおばあちゃんの知恵袋的に「賢い」というニュアンスの違いがある、と本で読んだことがあります。

そのことを思い出して、『ジーニアス英和辞典』(第5版,大修館書店,2014年)を引いてみると、以下のとおり解説しています。

wiseは知識や経験が豊かで「賢明である」の意. cleverは《主に英》, smartは《主に米》で, それぞれ頭の回転が速く「利口である」の意だが, 時にずる賢いことも表す.

話が広がりました。戻します。信頼のできる文法書『ロイヤル英文法』(改訂新版,旺文社,2000年,p.362)は、

moreの形の方がよく用いられ,rather thanの方がさらに自然。

と述べています。上の文(“He is wiser than he is clever. ”)よりも

He is wise rather than clever.

He is more wise than clever.

の方が自然、ということですね。ビジネスや受験、資格試験などで英文を書く際,覚えておけば役に立ちそうです。

②の例:This video is worse than useless. (この動画は役に立たないどころか有害である。この動画は有害無益(※)である。)

※またもや話は広がってしまいますが,「有害無益」という表現にdo more harm than goodがあります。覚えておきましょう。

『ロイヤル英文法』はまた、③「原則として比較変化をしない語や名詞などもこの構文では用いられる」として、以下の2つの例文を挙げています(p.363)。以下の2つの例文は、(ほぼ)同一のものをほかの参考書や問題集でも見かけます。何回も暗唱・暗記して頭に叩き込んでおくと良さそうです。

He was more dead than alive. (彼はへとへとに疲れていた。)

※当サイト管理人注:ほかの文法書(例えば『総解英文法』(美誠社,1970年,p.310)は、類似の例文を「彼は半死半生だった」と訳しています。和英辞典を引くと、more dead than aliveを「半死半生の」としているものが複数あります。「へとへと」と「半死半生」ではニュアンスに差があります。よってこの表現は、ともかく頭に叩き込んでおき、英語を読むなどしていて実際に出くわした際にどう訳すか、どう理解するかは前後の文脈も考慮せねばならない、といったところでしょう。

He is more a journalist than a scholar. (彼は学者というよりはジャーナリストだ。)

to不定詞か、動名詞ingか、どちらが来るかの見極め

「知らないと解けない」「かつ、大学受験英語などであまり見かけない」単語・熟語をTOEICはしばしば問うてくる。コツコツ一つずつ覚えていくしかない、という指摘をいくつかのエントリーでしてきました。

read … closely(…を精読する、…を念入りに読む)

他動詞の目的語の基本と応用:「burden, impose」「circle, roll, spin」「search」を例に考える

「残り、余り、やり残し、(口座や負債の)残高」の意味のbalanceと、一緒に覚えておきたいremainder

groceriesには食料が含まれ、grocery storeでは食料品が売っている

「ごくわずかの、(可能性などが)ありそうにない」という意味のremote

本エントリーは、反対に、「そのものズバリを知らなくとも、原則を覚えておけば何とかなる」タイプの問題を紹介・解説します。

『ETS TOEIC 定期試験既出問題集 1000 Vol.3 Reading』(原題は韓国語)(YBM, 2022年)の「TEST7 PART6」131-134(p. 203)に、「新たな奨励制度を用いれば」という趣旨の文章に続けて、次のような問題が出てきます。

Sales associates will now have the opportunity —— tickets to concerts, sporting events, and theater performances.

(新たな奨励制度を用いれば)「わが社の店員はコンサートやスポーツイベント、観劇のチケットを手にする機会を得るでしょう」という意味の英文になるために正しいものを選ばねばなりません。選択肢の中に(A) to earnと(B)earningがあり,どちらかが正解です。さてどっちでしょう…?

正解は(A) to earnです。opportunity to doで「…する機会」という意味になります。

May I take this opportunity to express my thanks? (この機会に謝意を述べさせてください。『新英和中辞典』第7版,研究社,2003年)

この問題は、opportunity to doそのものズバリを知らなくとも、原則を覚えておけば何とかなるタイプのものです。

※opportunityは名詞です。一方、以下は動詞の解説です。ですが、以下の「原則」は通底する話です。

当ブログ管理人は、高校生の頃、「動詞には、to不定詞を目的語にするものも、動名詞を目的語にするものも、どちらもある。それらのどちらも目的語にすることができ、どちらなのかによって意味が異なるものもある。to不定詞が目的語になる場合、まだ行われていないこと(これから行われること、未来のこと)を、動名詞が目的語になる場合、既に行われたこと(過去のこと)を表す傾向がある」と授業で習いました。例えば以下のような違いをその先生は例に出しました。以下の例はおおよそ、上に書いた「傾向」に当てはまっているように思います。

remember to do:忘れずに…する

I must remember to see you. (忘れずにあなたに会わねばならない。)

remember …ing:…したことを覚えている

I remember seeing you. (あなたに会ったことを覚えている。)

forget to do:(これから)することを忘れる

I won’t forget to see you. (忘れずに会おう。)

forget …ing:…したことを忘れる

I won’t forget seeing you. (会ったことを忘れないだろう。)

regret to:残念ながら…しなければならない

I regret to say goodbye. (残念ながらさよならを言わねばならない。)

regret …ing:…したことを後悔する

I regret saying goodbye. (さよならしたことを後悔している。)

※ただし、過去のことを明示する場合には完了動名詞を用い、次のようにいう。

I regret having said good bye.

stop to do:…するために立ち止まる,立ち止まって…する

He stopped to smoke. (彼は立ち止まってタバコを吸った。)

stop …ing:…をやめる

He stopped smoking. (彼はタバコを吸うのをやめた。)

try to do:…しようと努力する

I tried to open the window. (私は窓を開けようとした。)

try …ing:試しに…してみる

I tried opening the window. (私は窓を開けてみた。)

need to(…する必要がある)などに対して、needなどの後に来る動名詞は受動の意味を表す。

I need to work. (働かねばならない。)

My bicycle needs repairing. (= My bicycle needs to be repaired. 私の自転車は修理の必要がある。)

※ただし、分かりやすく比較するために上のとおり書きましたが、stop to doのto doは目的語ではなく、この場合のstopは自動詞です。

高校の先生も、大学で学んだことや教師用指導書、各種の資料に基づいてわれわれに教えていたはずです。正確なところを調べるべく、各文法書を引いてみると、例えば次のとおり書いてあります。

to不定詞のtoは、元来方向・方面を示す前置詞であるから、今でもto不定詞は、これからある行動をとろう、ある状態になろうという意志や感情を示す動詞につく傾向があり、動詞的性格が強い。

動名詞はto不定詞よりも名詞に近く、静的な感じで、現在あるいはこれまでに事実となっていることをどうこうするという動詞につく傾向がある。to不定詞とは違い、消極的な意味の動詞が多い。

* look forward to ~ing(~するのを楽しみにする)など動名詞が未来のことを表す場合もある。

(『ロイヤル英文法』改訂新版,旺文社,2000年,p.536)

原則の1 a)不定詞は時間的に未来を指向する動作・状態を示す。これに対して動名詞はb)時間的に中立ではあるが、c)過去を指向することもできる。(後略)

  1. a) He promised to come (= that he would come). (来ると約束した)
  2. b) Most women enjoy shopping. (たいていの女性は買い物が好きです)
  3. c) The boy admitted teasing the cat (= that he had teased the cat). (その子は猫をいじめたことを認めた)

原則の2 a)不定詞だけを目的語とする動詞は希望・要求・意図・決心など,動作の実現に対して積極的な含みを持っているが、b)回避・延期・休止など、動作の実現に対して消極的な含みを持つ動詞は動名詞だけを目的語とする。

  1. a) I want to go for a walk. (私は散歩に行きたい)
  2. b) Let’s avoid wasting (時間の浪費は避けよう)

(『英文法解説』改訂3版,金子書房,1991年,p.362)

ある動詞に続くのがto不定詞か、それとも動名詞ingかは、TOEICに頻出の事項です。

動名詞だけを目的語にとる動詞には、例えば以下があります。

admit(※),  avoid, consider, deny, enjoy, escape(※※) , excuse, fancy, finish, give up(※※※), involve, mind, postpone, put off

(※)He admitted having stolen the money. (彼は自分がその金を盗んだと白状した。『新英和中辞典』第7版,研究社,2003年)など。ただしThe report was admitted to be inaccurate.(その報告が不正確であると認められた。(同上))のような、「admit+目的語+(to be)補語」の用例があるので見極めに注意。consider, deny, fancyも同様。

(※※)例えば次のように用いる。The boy barely escaped being hit  by a car. (少年はもう少しのところで車にひかれるところだった。『ジーニアス英和辞典』第5版,大修館書店,2014年)to be hitは不可。

(※※※)I gave up smoking. (たばこはやめたよ。)など。ただしI gave up my seat to an old man. (老人に席を譲った。)のような用例があるので混乱しないよう注意。

例えば上記のような、動名詞だけを目的語にとる動詞の主な例を覚えておく(それら以外は、原則的には、to不定詞が続くことになります)のも有用です。TOEICの直前にチェックすると安心材料になるかもしれません。

それらの中には、「知らないと解けない」「一つひとつ頭に叩き込むべし」と思えるものもありますが、一方で、原則を覚えておけば何とかなるものもあります。そのことをお伝えすべく本エントリーを書いた次第です。

※話が広がってしまいますが参考までに、「by以外の前置詞を用いる受動態」も頻出です。例えば『ロイヤル英文法』(改訂新版,旺文社,2000年)579-580ページに整理されています。「それらのページをスマホの写真に収めて個人的に持っておき、TOEICの直前にチェックする」というテクニックが使えると思います。

参考:toの後ろは原形か?動名詞か? 以上述べてきたことは、「ある動詞に続くのがto不定詞か、それとも動名詞ingか」です。一方、左記のエントリーでは、タイトルのとおり、be動詞+形容詞+toや動詞+副詞+toの後ろには原形が来るか、それとも動名詞が来るかを素早く判断するためには?を考察しています。

TOEICの「筋(すじ)」を読む:深く考え過ぎない

TOEICの「筋(すじ)」

『ETS TOEIC 定期試験既出問題集 1000 Vol.3 Reading』(原題は韓国語)(YBM, 2022年)の「TEST4 PART7」設問161-163(p. 123)は、「かつて造船所だった所に遊歩道をつくることになりました。そこにはレストラン、たくさんの小売店(a dozen retail businesses)、ライブパフォーマンスが行われる中庭(patio)ができる予定です」のような内容です。まあ、TOEICでよく見かけるパターンの文章だと思います。

本エントリーで強調したいのは、TOEICの「筋(すじ)」を読むこと、TOEICの「流れ」に沿って回答することです(※)。…書いていて、うまく言葉にするのが難しいなあと感じるのですが、一つの側面(あくまで一つの側面)をシンプルにいえば「深く考え過ぎない」ともなりましょうか。

(※)TEX加藤先生のブログに「TOEICで満点を取るための秘訣は、ずばり、「TOEICと一体化すること」です」という記述がありました(満点に必要なRの正答数 強調、当サイト管理人)。TEX加藤先生先生と同じ境地だ、のような不遜なことは申せませんが、どこか相通じる気がいたします。

上のような内容の英文の後に、設問が続きます。一問目(設問161)は「予定に含まれていないものは次のうちどれでしょうか?」というもので、選択肢は(A) Office spaces, (B) Entertainment, (C) A shopping section, (D) Eating establishments(飲食施設)です。

(B) Entertainmentにはライブパフォーマンスが、(C) A shopping sectionには小売店が、(D) Eating establishmentsにはレストランが該当しますので、正解は(A) Office spaces(事務所スペース)です。

以上は、シンプルに考えればサクッと正解できるのですが、「小売店(retail business)で働く人たちも、事務的な仕事をせねばならないときがあるだろうから、お店の中に事務所スペースがあるだろう」のように考え込んでしまうと、(A) Office spacesを選べずに、不正解になってしまいます。視覚的・直感的に、小売店(retail business)のbusinessと(A) Office spacesのofficeが何となく関連があるようにも見えて、少しだけひっかけ問題の要素もあります。そのことも、考え込んでしまうとダメになるのに一役買っています。

なお、patioやestablishmentはTOEICあるある英語です。

patio:中庭,テラス

establishment:権力層、支配者層という意味もありますが,上のeating establishmentsのように、TOEICでは機関、施設、敷地、建物、民間組織という意味がよく問われます。

「深く考え過ぎない」かつ「ちゃんと確実に英文を読む」(両者は別のもの)

上記の設問161-163では続けて、「以下のうち、本文から示唆されるものはどれですか」のような問題があります(設問162)。選択肢に「造船所で働いた人々の記念碑を建てる」というものがあります。一方、本文には「造船所での労働を後世の人に知ってもらうために、造船技師たちは、造船所だった場所の入り口付近の壁に名前を彫り付けた」という趣旨の記述があります。上の選択肢「造船所で働いた人々の記念碑を建てる」を選ぶと不正解になります。この設問は、急いで解いている人に対するひっかけの一種のようにも思えます。この場合は、「深く考え過ぎてはダメ」ではなく、「ちゃんと確実に英文を読めなければダメ」という例です(両者は別のものです)。すっ飛ばしながらザっと読んだだけでは間違えてしまいます(英語でなく、上のような日本語で文章を読んだとしても、うっかりすると間違えてしまいそうです)ので注意が必要です。

anyoneとwhoeverのどちらを選ぶか?

『ETS TOEIC 定期試験既出問題集 1000 Vol.3 Reading』(原題は韓国語)(YBM, 2022年)の「TEST8 PART6」131-134(p. 236)では、「この会議の目的は、合併のスケジュールをはっきりさせることです。取締役会に質問がある人には、そのための時間が豊富に用意されています」という趣旨の箇所に空欄を作り、次のような設問を設けています。

—— with questions for our Board of Directors will be given ample time to ask them.

選択肢の中にAnyoneとWhoeverがあり、どちらかが正解です。さてどっちでしょう…?

正解はAnyoneです。以下に述べる内容を知っていれば瞬時に解ける問題ですが、anyoneもwhoeverも「誰でも」という意味だよな?くらいのあいまいな知識しかないと、両者の見分けが付かずに、勘で答えることになってしまいます。

anyone

anyoneは、anybodyと基本的には同じ意味で、代名詞です。肯定文で「誰でも」、否定文で「誰も(…ない)」、疑問文で「誰か」という意味を表します。

Anyone can do that. (誰でもそれくらいできる。)

Anyone can’t do that. (誰もそんなことはできない。)

Can anyone do that? (誰か、そんなことできるか?)

冒頭の設問も、空欄にはAnyoneが入り、「取締役会に質問がある人は誰でも、彼ら・彼女らに質問する豊富な時間が与えられます」(直訳)という意味になります。

whoever

次にwhoeverについて見ていきましょう。whoeverは基本的に関係代名詞です(各文法書では「複合関係代名詞または複合関係副詞である」などとも説明されます)。「…する人は誰でも」( = anyone who)、または「誰が…しようとも」( = no matter who)という意味を表します(※)。

したがって、必ず常にwhoeverイコールanyone who、とは限りません。上のとおり、whoeverがno matter whoと同義の場合もあるためです。ネット上の記事(このエントリーもネット上の記事ですが^^;)にはこの点がおおざっぱで、あたかも、必ず常にwhoeverイコールanyone whoであるかのように書いてあるものもありますので注意しましょう。

『新英和中辞典』(第7版,研究社,2003年)にはそれぞれ次の例文が載っています。

Whoever comes is welcome. (来る人は誰でも歓迎する。)

Whoever calls on me, tell him [her, them] I’m out. (誰が訪ねてきてもいないと言いなさい。)

英語の文法の授業やテキストなどで「関係詞節」や「関係代名詞節」という言葉を聞いた/目にしたことがあると思います。その言葉のとおり、関係代名詞は節を作ります。上の例文でいうと、次のように整理できます。

Whoever comesが名詞節。かつ、文の主部。isが文の述語動詞。この場合のWhoeverはAnyone whoと言い換え可能です。

Whoever calls on meが副詞節。この場合はNo matter who calls on meと言い換え可能です。

冒頭の設問・解説

冒頭の設問の場合、

Whoever has questions for our Board of Directors will be given ample time to ask them. (= Anyone who has questions for our Board of Directors will be given ample time to ask them.)

上のような文なら、Whoever (Anyone who) has questions for our Board of Directorsが名詞節かつ主部となり、正しい形になります。冒頭の設問はそうではないので、Anyoneの方が正答です。

なお、ampleはTOEICでしばしば目にする形容詞で、「広々とした」「大きい」「豊富な」といった意味を表します。覚えておきましょう。

read … closely(…を精読する、…を念入りに読む)

今回は、「知らないと解けない」(かつ、大学受験英語などであまり見かけないので、TOEICで苦戦する人が多い)表現を取り上げます。

『ETS TOEIC 定期試験既出問題集 1000 Vol.3 Reading』(原題は韓国語)(YBM, 2022年)の「TEST7 PART5」130(p. 202)に、次の問題が出てきます。

Editors at Benchley Press are skilled at reading —— to correct errors and polish the prose.

選択肢は(A) sensibly, (B) perfectly, (C) tightly, (D) closelyです。さて正解はどれでしょう…?

正解は(D) closelyです。「Benchley出版の編集者たちは、原文を精読し、誤りを修正して文を完成させることに長けています」という意味になります。

(A) sensiblyは「分別良く」、 (B) perfectlyは「完全に」、 (C) tightlyは「きつく」「しっかりと」、 (D) closelyは「非常に注意深く」「入念に」といった意味ですので、パッと見、どれが正解でもいいような気がしてきます。

ところがread … closelyで「…を精読する、…を念入りに読む」という熟語になります。上の問題は、そのことを知っているかどうかを問うています。個人的には、もし仮に、ネイティブの方と上のような会話になったとして、例えばsensibly(問題の答えとしては不正解)を使っても、(状況にもよりますが)こちらの言いたいことは伝わる(意をくみ取ってくれる)ような気がします。ですが、正しいちゃんとした英語としてはread…closelyとするべき、ということかと思います。

「知らないと解けない」「かつ、大学受験英語などであまり見かけないので、苦戦する人が多い」ような単語・熟語をTOEICはしばしば問うてきます。この辺りは、コツコツ一つずつ覚えていくしかない、といったところかと思います。

「…おき」と「…ごと」

今回は、英語の話題でもあり、日本語の話題でもあるようなエントリーです。

本エントリーの読者の皆さまは、「…おき」と「…ごと」の違いや、それらを英語でどう言うかを考えたことがありますでしょうか?

仮に、ある人が賃貸マンションに住んでおり、マンションの更新が2年に1回だとします。更新なしの年を白丸○で、更新ありの年を黒丸●で表すと、次のようになります。この場合、マンションの更新(黒丸●)は「1年おき」とも「2年ごと」ともいえます。

○●○●○●…(以下続く)

英語では、どちらも

every other [second] year

または

every two years

です。

もし3年に1回(すなわち「2年おき」「3年ごと」)の場合、

every third year [three years]

になります。every third yearだと、最初の年から数えて3番目の年。every three yearsだと、3年を1単位としてまとめて考える、のようなイメージです。

上の例から分かるとおり、序数詞(secondやthirdなど)やevery otherには単数名詞が続きます。基数詞(twoやthreeなど)には複数名詞が続きます。

まとめると、「…おき」と「…ごと」は、上の各例のように、英語だと数字は同じ。日本語だと表現によって数字が異なりうる、といえます。

ただし、少しややこしいですが、「…おき」と「…ごと」を区別せず、同じ意味で用いる場合―そういう場合は日本語の日常会話でもあります。英語でもあるようです―の例文として、各辞典には次のようなものが載っています。

電車は5分おきに走っています。
The trains run every five minutes [at five-minute intervals].
(『新英和中辞典』第7版,研究社,2003年)

「空港バスは何分おきですか」「20分おきです」
“How often does the airport bus run?” “Every twenty minutes.”
(『ジーニアス英和辞典』第5版,大修館書店,2014年)

上の各例文は、「…分おき」だからといって、生真面目にevery four minutesやevery nineteen minutesとは書いていません。あるいは、日本語の「5分おきに走っています」や「20分おきです」の方が「5分(20分)おきです」と「5分(20分)ごとです」を生真面目に区別せず、同じ意味で用いている、ということかもしれません。